自動車税

自動車税を滞納するとどうなる?ブラックリストに登録される?

自動車税を滞納するとどうなる?ブラックリストに登録される?
気付いたら自動車税の支払い期限(5月31日)が過ぎていました。すでに2ヵ月以上滞納していますが、ブラックリストに登録されてしまっているのでしょうか?

結論からいうと、自動車税を滞納してもブラックリストに登録されることはありません。

ただし、自動車税を滞は納したままにすると、延滞金が発生するほか、車検を受けることができないなどのペナルティが生じます。

車検切れした車を公道で走らせると「6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金」の刑事罰が科せられるため、滞納どころの問題ではななるのでご注意ください。

本ページでは「自動車税を滞納した時のペナルティ」について解説します。

自動車税を滞納するとブラックリストに登録される?

自動車税を滞納してもブラックリストには登録されません。そのため、自動車税を滞納してもクレジットカードやその他ローンの審査には影響はないでしょう。

ちなみに、ブラックリストとは信用情報機関が管理している私たちの信用情報に“異動”というマイナス情報が記録されることを意味します。

銀行などの金融機関やクレジットカード会社、カードローン会社などの貸金業者は上記のいずれか、もしくは複数の機関に加盟しており、顧客との契約内容や利用状況を提供・共有しています。

そのため、クレジットカードを滞納すると信用情報機関に滞納履歴が記録&共有され、その他のクレジットカード審査やローン審査などに影響します。

つまり、信用情報がキズ付くということ。

さらに、61日以上の滞納が続いた場合は”ブラックリストに登録”され、自己破産してないにもかかわらず、それと同じようなペナルティを受けることになります。
※ブラックリストの情報は返済を完済した後、最低5年間は消えずに残ります。

ただし、自動車税を滞納しても、信用情報がキズ付いたり、ブラックリストに登録することは一切ありません。

自動車税・軽自動車税は県税・市町村税です。県・市町村は先ほど紹介した3つの信用情報機関に加盟していないため信用情報とは無関係です。

ただし「滞納してもブラックリストに登録されないから大丈夫」というわけではありませんのでご注意ください。

≫ 楽天カードの滞納は強制解約の可能性あり!再振替で引落してもペナルティを受ける?

自動車税を滞納するとどうなる?ペナルティはある?

自動車税は4月1日午前0時時点で自動車を所有していた人に対して、5月頃に納付書(通知書)が送られます。原則、納付期限は5月31日まで。
※5月31日が土日・祝日に当たる場合は翌平日が納付期限になります。

ただし、納付期限を過ぎてもすぐに何かが起きるわけではありませんが、以下のペナルティを受けることになるでしょう。

  • 遅延損害金が発生する
  • 車検を受けられなくなる
  • 財産が差し押さえられる可能性がある

結論から言うと、延滞金が1,000円を超える前、もしくは車検を受けるまでに支払えば、自動車税を滞納しても特に何も起きません。
※自動車税は滞納してOKという意味ではありません。

1つずつ解説します。

遅延損害金が発生する

自動車税の延滞金は、1ヵ月以下の滞納の場合は2.5%2ヵ月以上の滞納の場合は8.5%の金利がかかる仕組みです(和3年1月1日から令和3年12 月31日まで)。

自動車税の延滞金割合

  • 滞納期間1ヵ月以下:自動車税に対して2.5%の利率
  • 滞納期間2ヵ月以降:自動車税にたして8.8%の利率

※参考元:東京都主税局ホームページ

つまり、6月中の滞納なら2.6%、7月以降は8.9%の利率で延滞金が発生するイメージです。
※県・市町村によって納付期限が異なる場合があります。

例えば、5月31日納付期限の30,500円の自動車税を3ヶ月間滞納した場合は以下のように延滞金が計算されます。

自動車税の延滞金
=30,500円×(0.025÷365×30日+0.088÷365×62日)
=518円

上記の計算の通り、3ヵ月滞納しても延滞教は518円にしかなりません(自動車税30,500円の場合)。

また、“自動車税の延滞料金は1,000円を超えてから請求される”という特殊なルールがあるため、1,000円に達しなければ支払い義務は発生しません。

そのため、実際に延滞料金が請求されるのは10月以降になるケースがほとんどでしょう。
※所有する自動車の排気量によって前後します。

車検を受けられなくなる

車検を受けるためには以下の3つの書類が必要になります。自動車税を滞納すると「自動車税納付証明書」が入手できないため、車検を受けることができません。

車検時に必要な書類

  • 車検証
  • 自賠責保険証
  • 自動車納付証明書

上記のうち、1つでも書類がそろわなければ車検を受けることができません。もし自動車税を滞納している年に車検期限がくる場合は、車検前までに関らず納付してください。

では、車検が切れてしまった場合はどうなるのでしょうか。

車検切れした車を公道で走らせる「6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金」の刑事罰が科せられます。また、違反点数は6点、30日間の免許停止処分になります。

車検切れの車を運転すると、滞納して延滞金が発生しちゃう…程度では済まなくなります。さらに、自賠責保険まで切れていれば「1年6ヵ月以下の懲役または80万円以下の罰金」と刑が重くなり、90日間の免許停止処分になります。

車検切れの車を運転する行為は法律違反、絶対にやめましょう。。

財産が差し押さえられる可能性がある

自動車税を滞納し続けると「財産が差し押さえられる」可能性があります。ただし、クレジットカードやその他ローンを滞納した時に比べればペナルティは緩いかも。

自動車税を丸1年間滞納したことがありますが、財産差押えまでは至りませんでした。ただし、支払い催促の督促状、勧告書が届いていたため「1年滞納しても大丈夫」というわけではないと思います。

自動車税を滞納した後、財産差押えに至るまでの流れは以下の通り。

滞納~財産差押えまでの流れ

  1. 支払い請求の督促状が届く
  2. 財産差押えを警告する勧告書が届く
  3. 財産差押えが実行される

なお、支払い請求書は年に数回(6月と9月?)に送られ、その後は「○月○日までに納付しなければ財産調査を行い差押えを実行する」という内容の勧告書が届きます。つまり、最終警告のようなもの。

ちなみに、自動車税の滞納で財産差押えになる場合は裁判を介さないため、役所の担当者、もしくは警察官立ち合いのもと、車を動かせないようにタイヤロックがかけられます。

その後も、支払いに応じない場合は車両が競売にかけられる流れになるでしょう。

 役所の手続きによって車両が競売にかけられた場合、売却額から自動車税+延滞料金(+その他費用)が支払われることになります。

役所によって競売にかけられた車は市場価格よりも低い価格で即売却されるため、自分で売却した場合に比べるとかなり安く買い叩かれると覚悟した方が良いでしょう。

車が引き上げられる、もしくは差し押さえになる前に一括査定に出してみることをおすすめします。

≫ 自動車ローンを滞納したらどうなる?車が引き上げられるのはいつ?
※車両引き上げは滞納期間3ヵ月以降に実行されます。

滞納した自動車税の納付方法

通常、自動車税は以下の5種類の方法で納付可能です。

納付方法 詳細
納付書払い 自宅に届いた納付書を銀行・ゆうちょ・税務所・コンビニ等に持って行けば現銀払いで納付可能です。
クレジットカード払い 都道府県税務署の専用サイトからクレジットカード払いによる納付可能です。ただし、約300円の手数料が発生します。
口座振替 引落口座を事前申込しておくことで口座振替による納付可能です。
ペイジー 自治体によっては対応していない場合もありますが、納付書にペイジーの青色マークがあればペイジーで納付可能です。
電子マネー コンビニで支払う場合に電子マネーでの納付可能です。

※スマホでご覧の方は左右にスクロールできます。

表に記した通り、自動車税は払い忘れを防止するために様々な納付方法に対応しています。

ただし、納付期限が過ぎてしまった場合は納付書を再発行してもらう、もしくは役所に行って直接納付する必要があります。

期限切れの納付書をもって役所に行けば、その場で再発行&納付が可能です。もし納付書を紛失した場合でも、運転免許書などの身分証明書があれば再発行してもらえます。

「期限切れの納付書を持って行くと怒られそう…」と思っている人もいるかもしれませね。でも大丈夫です。

毎年、半年~1年くらい自動車税を滞納していましたが、毎年役所に行って納付書を再発行してもらっていました。でも、一度も怒られたり、嫌な顔をされてことはなかったです。

住民票を申請するくらいの感じで納付書を再発行してくれるのでご安心ください。

自動車税は地方税法第15条によって、以下の条件に該当する場合は1年以内の分割納税が認められます。

  • 納税者が震災、風水害、火災その他の災害を受け、又は盗難にかかつたとき
  • 納税者もしくは生計を一にする親族が病気にかかり、又は負傷したとき
  • 納税者がその事業を廃止し、又は休止したとき
  • 納税者がその事業につき著しい損失を受けたとき
  • 前各号のいずれかに該当する事実に類する事実があつたとき

上記にのいずれかに該当する場合は都道府県税務署に相談すれば分割納税することができます。

自動車税の金額どうやって決まる?還付金はある?

自動車税の納付は、4月1日午前0時時点で自動車を所有していた人に対して、同年4月~翌年3月までの1年間分を前払いします。

また、自動車税には減税制度もあれば逆に課税されるケースもあるため、人によって納付額が異なります。

さらに、廃車(登録抹消)した場合には時期に応じた還付金(払い過ぎた自動車税の返金)を受取ることができます。

  • 自動車税は排気量によって税額が異なる
  • 廃車(登録抹消)した場合は還付金が発生する

以下で詳しく解説しましょう。

自動車税は排気量によって税額が異なる

自動車税は所有する車の排気量購入時期によって異なります。詳しくは以下の表でご確認ください。

排気量 2019年9月30日以前
に購入している場合
2019年9月30日以降
に購入している場合
1,000cc以下 29,500円 25,000円
1,000cc超
 ~1,500cc以下
34,500円 30,500円
1,500cc超
 ~2,000cc以下
39,500円 36,000円
2,000cc超
 ~2,500cc以下
45,000円 43,500円
2,500cc超
 ~3,000cc以下
51,000円 50,000円
3,000cc超
 ~3,500cc以下
58,000円 57,000円
3,500cc超
 ~4,000cc以下
66,500円 65,500円
4,000cc超
 ~4,500cc以下
76,500円 75,500円
4,500cc超
 ~6,000cc以下
88,000円 87,000円
6,000cc超 111,000円 110,000円

※スマホでご覧の方は左右にスクロールできます。

エコカー減税対象車は減税

2019年5月1日~2021年4月30日の期間に以下の車両を購入(新車登録)している場合は、25%~50%の減税、さらに一部の車は非課税となります。

ロコカー減税の対象車

  • 電気自動車
  • 燃料電池自動車
  • ハイブリッド自動車
  • 天然ガス自動車
  • グリーンディーゼル車

なお、2021年4月1日~2023年3月31日に上記の車両を購入した場合は、約75%の減税が適応されるエコカー減税の延長期間が設けられています。

13年以上の車両は重量税が課税

新車登録から13年以上経過した車には、表の自動車税とは別に約15%の重量税が発生します。

なお、重量税は購入年から13年ではなく、車両が新車登録された年から13年と計算されるため、中古車で購入した車の場合は購入年から重量税が発生するケースもあるでしょう。

政府としては、ガソリン車を廃止することが狙いなのかもしれませんね。

環境に優しいエコカーは減税される一方で、古くなったガソリン車(年費が悪い車)は重税される流れですね。

ヨーロッパでは2035年からガソリンを使うハイブリッド車の販売禁止が決定しており、環境に優しい電気自動車の普及に努めています。日本もこの流れには逆らえないでしょう。

日本はヨーロッパほど強い規制はかけられていないものの、時間の問題かもしれませんね。つまり、これから車を購入するなら“電気自動車でなければ損する”でしょう。

廃車(登録抹消)した場合は還付金が発生する

もし自動車を廃車(登録抹消)している場合は還付金を受けるとることができます。

業者を通して廃車手続きを行うと業者が車の抹消登録手続きをした1~2ヵ月後に登録住所宛に「還付通知書」が届きます。

「還付通知書」に記載された指示に従い、指定の金融機関で手続きすることで還付金を受取ることができます。

還付金の計算例

排気量1500ccの車を6月に廃車した場合の還付金

34,500円÷12ヶ月×10ヶ月(6月~翌年3月までの期間)
=28,750円

→ 実際受け取れる還付金は28,700円
 ※100円未満を切り捨てた額が還付されます。

なお、還付金は廃車(登録抹消)した場合のみ受け取ることが可能です。車を売却しただけでは還付金を受取ることができないためご注意下さい。

自動車税の滞納に関するよくある質問

最後に、自動車税の滞納に関するよくある質問にお答えします。

今年の自動車税を「滞納しそう」もしくは「滞納してしまった」という人は参考にしてみてください。

  • 自動車税を滞納したまま売却することはできる?
  • 自動車税を滞納したまま廃車手続きすることはできる?
  • 自動車税を滞納し続けると時効は成立する?

自動車税を滞納したまま売却することはできる?

原則、自動車税が未納の車を売ることはできません。というより、自動車税が未納の車を購入してくれる業者はないと思った方が良いでしょう。

ちなみに、車を売却する時に買い取り業者が自動車税の納付を確認されることはありません。ただし、名義変更手続きする際に自動車税の納付証明書が必要になるため、すぐにバレてトラブルになる可能性があります。

車を売却する際は、事前に自動車税の納付をしておきましょう。

自動車税を滞納したまま廃車手続きすることはできる?

自動車税を滞納した状態でも車を廃車(登録抹消)することは可能です。

ただし、廃車しても自動車税の納付義務がなくなるわけではありません。自動車税が請求される4月から廃車手続きが完了するまでの期間分の自動車税は納付義務があります。

なお、廃車手続き完了~翌3月までの請求分は還付金として返金してもため、車を所有していた期間分だけの自動車税のみを納付することはできません。
※1年間分を納付後、還付金により納付し過ぎた分が返金されます。

自動車税を滞納し続けると時効は成立する?

自動車税は5年で時効が成立します。ただし、5年とは納付期限から5年間というわけではなく、役所(税務署)が最後に催促を行った日から5年です。

つまり、納付催促の督促状が届くたびに時効はリセットされるため、事実上、自動車税の時効が成立することはないでしょう。

まとめ:自動車税は滞納してもブラックリストに登録されない

自動車税・軽自動車税は県税・地方税です。つまり、請求元は県・市町村。一般的な貸金業者や金融機d関からの請求ではないため、自動車税を滞納してもブラックリストに登録されることはありせん。
※県・市町村の役所は信用情報機関に加盟していないため。

そのため、自動車税を滞納してもクレジットカードの申請やその他ローン審査に影響することはないでしょう。

ただし、自動車税を滞納したままだと「納付証明書」が発行されないため車検を受けることができません。

車検を受けないとどうなる?

  • 車検切れの車を公道で走らせると…
    → 6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金
    → 30日間の免許停止処分
  • 車検切れ+自賠責保険切れの車を公道で走らせると…
    → 1年6ヵ月以下の懲役または80万円以下の罰金
    → 30日間の免許停止処分

つまり、車検を受けないとやばいってこと。

もし「自動車保険の納付が厳しい」さらに「自動車ローンの返済が苦しい」という場合は、車を一括見積に出して売却することを考えてみてください。

もしくは、安い中古車に乗り換えて月々の返済負担を軽くすることを考えてみてはいかがでしょうか。