結論、カーリースは2ヵ月未満の滞納であれば、車が引き上げられることもブラックリストに登録されるなどのペナルティも発生しません。
もし支払いが遅れた場合、数日中に支払い催促の督促ハガキが届くと思いますので、ハガキに記載された指示に従って支払い(振込)を完了させましょう。
でも、なぜ2ヵ月未満なら大丈夫なのでしょうか?
その間に取立てが来たり、訴えられたりしないのでしょうか?
本ページでは「カーリースの月額リース料金を滞納した後に起きること」と「中途解約と違約金の関係」についてお話します。
カーリースを滞納したらどうなる?車は引き上げられる?
カーリースのデメリットは“契約中の車は自分のものではない”ということ。車の所有権はリース会社にあります。
そのため、毎月のリース料金を滞納すると以下のペナルティーが発生します。
- 督促ハガキ・電話がかかってくる
- カーリース会社と直接話し合い
- 連帯保証人に請求がいく
- ブラックリストに登録される
- 車が差し押さえられる
最悪の場合、契約が強制解約され車が引き上げられることも。ただし、2ヵ月未満の滞納であれば、大きな影響はないでしょう。
カーリースを滞納するとどうなるのか、順番に確認してみましょう。
督促ハガキ・電話がかかってくる
毎月の支払い(口座振替)が完了でき叶った場合、数日後にカーリース会社から督促ハガキが送られてきます。また、督促ハガキが届くタイミングでカーリース会社から電話がかかってきます。
ただし、この時の電話は「支払をお忘れでないですか?」「督促ハガキは届いていますか?」という確認のためで電話です。
督促ハガキ、もしくは電話の指示に従って支払いを行えば、それで終了です。もし、その後も滞納を続けた場合、カーリース会社が自宅に訪問して直接話し合いとなります。
カーリース会社と直接話し合い
滞納発生から1ヵ月以上経過すると、カーリース会社が自宅に訪問し、車の状況の確認および支払い意思の確認を行います。
この時、支払いが困難な状況をちゃんと説明すれば、支払い期限に猶予期間が設けられるなどの対応があるかもしれません。
ただし、自宅訪問されても直接の話合いを拒んだり、不誠実な対応を見せれば、カーリース会社は連帯保証人に滞納分の請求をせざるを得なくなるでしょう。
連帯保証人に請求がいく
自宅訪問しても解決できない場合、連帯保証人に支払い請求が行きます。
※カーリース契約時に連帯保証人を立てている場合のみ。
なお、連帯保証人に請求されるのは滞納額分のみ。一般的には2ヵ月分の滞納が発生した時点で連帯保証人に請求が行きます。
つまり、滞納2ヵ月を過ぎれば、連帯保証人にまで迷惑をかけることになり、さらにブラックリストに登録される重たいペナルティが課せられます。
ブラックリストに登録される
滞納期間が2ヵ月以上経過すると、カーリース会社が加盟している信用情報機関に顧客の滞納情報を提供します。つまり、“信用情報にキズが付く”ということ。
ただし、これだけでは済みません。
カーリース会社は以下の信用情報機関に加盟しており、それぞれの機関は「2ヵ月以上もしくは3ヵ月以上の延滞が続いた場合、ブラックリストに登録する」ことを定めています。
つまり、カーリース料金の滞納が2ヶ月以上続くとブラックリストに登録されることは覚悟しましょう。
ブラックリストに登録された後の影響については、後ほど詳しく解説します。
車が差し押さえられる
連帯保証人が滞納分を支払ってくれれば、ひとまず解決です。その後はこれまで通りの支払いスケジュールで引落が行われます。
ただし、連帯保証人がいない、もしくは連帯保証人も支払いを拒否した場合は、法的措置によって車が差し押さえられる可能性があります。
※車だけではなく、銀行口座や給与・賞与も差し押さえられる可能性があります。
「数万円の滞納で裁判で訴えられるわけない」と思っている人は多いですが、日本には少額訴訟という簡易裁判制度があり、請求額60万円以下なら最大6,000円のみの費用で裁判を起こすことができます。
裁判になればカーリース契約の強制解約に伴うリース料金の全額請求される可能性があるため、“滞納中のリース料金だけ支払えばいい”というわけにはいかなくなるでしょう。
とはいえ、実際に裁判に発展するまでリース料金を滞納し続ける人は少ないでしょう。そのため、最も注意すべきは“ブラックリストに登録されること”です。
ブラックリストに登録されると、どのような影響(ペナルティ)が発生するかチェックしましょう。
カーリースの滞納が原因でブラックリストに登録された場合、どうなる?
カーリースに限らず、クレジットカードやその他のローンにおいても、滞納期間が2ヶ月以上続くとブラックリストに登録されるケースがほとんどです。
※信用情報機関によってブラックリスト入りするまでの滞納期間は若干異なります。
ブラックリストに登録されることで生じる主なペナルティは以下の通り。
- クレジットカードが作れなくなる
- スマホ機種代の分割払いができなくなる
- 賃貸物件の賃貸契約ができなくなる
- 住宅ローンなどの融資が受けられなくなる
- 奨学金などの保証人になれなくなる
- カーリースの更新ができなくなる
なお、ブラックリストに登録されても通知は一切ありません。上記に心当たりがある人は、すでにブラックリストに登録されている可能性があります。
1つずつ確認してみましょう。
クレジットカードが作れなくなる
クレジットカード会社は新規会員登録、もしくは途上与信の際に会員の信用情報をチェックしています。
途上与信(とじょうよしん)とは?
クレジットカード会社はカード発行後も会員の信用情報を定期的に審査し、会員資格を見直す途上与信を実施しています。つまり、途上与信とは定期的に実施される信用情報の抜き打ちチェックです。
そのため、ブラックリストに登録されるとクレジットカードの新規発行ができなくなるだけでなく、現在持っているクレジットカードも強制解約されてしまいます。
※強制解約されるタイミングはカード会社によって異なります。
途上与信については、以下のページをご参考ください。
≫ 楽天カードの途上与信が厳しい理由を解説【3ヵ月に1回の頻度で実施中】
スマホ機種代の分割払いができなくなる
携帯会社を乗り換える時や機種変する時、新しいスマートフォンの機種代を分割払いにしていませんか?
例えば、iPhone13 Proは最低価格で122,800円。でも36回の分割払いで月々3,411円で購入可能です。このようにスマホ機種の分割払いは今では当たり前ですよね。
ただし、分割払いする際にも信用情報の審査が行われるため、ブラックリストに登録さるとスマホ機種代の分割払いができなくなります。
スマホの機種代に限らず、ブラックリストに登録されると少額の分割払いでさえも利用できなくなる可能性があるため、日常生活に影響してくることもあるでしょう。
賃貸物件の賃貸契約ができなくなる
最近の賃貸物件では、家賃滞納によるトラブルを避けるために、賃貸契約時に保証会社への加入が義務付けられているケースが増えています。
このような賃貸物件の場合は、賃貸契約前に保証会社が借主の信用情報を審査します。
※保証会社は信用情報機関に加盟しています。
そのため、借主がブラックリストに登録されている場合、賃貸契約ができなくなる可能性があるでしょう。
ただし、これは賃貸契約時の話です。
すでに賃貸契約中の場合、ブラックリストに登録されたことを理由に、賃貸契約が強制解約され追い出されることはないのでご安心ください。
住宅ローンなどの融資が受けられなくなる
ブラックリストに登録されると、住宅ローンはもちろん、自動車ローンやカードローンといった金融機関からの借りれができなくなってしまいます。
なお、ブラックリストに登録されると5~10年間は信用情報に記録が残るため、上記のローンやクレジットカードが使えなくなることは覚悟した方が良いでしょう。
また、30歳以降でブラックリストの情報が信用情報から消えた場合、スーパーホワイトと呼ばれる状態になります。
スーパーホワイトとは?
信用情報機関に情報(他社との契約履歴や氏名・住所などの個人情報)が一切登録されていない人のことをスーパーホワイトと言います。つまり、信用情報が“真っ白”っな状態。
一見すると信用情報が超クリーンなので問題ないと思われがちですが、30歳過ぎてスーパーホワイトな人は、審査時の評価基準となる情報がないため、審査において不利になると言われています。
つまり、1度ブラックリストに登録されると、記録が抹消された後でも“信用情報は完全に回復しない”と覚悟した方が良いでしょう。
奨学金などの保証人になれなくなる
ブラックリストに登録されると、自分が契約者とならなくても誰かの保証人になることができなくなります。
例えば、子供が大学進学した時に奨学金を利用する場合、親であるにも関わらず連帯保証人になることができなくなります。
とはいえ、奨学金には“機関保証制度”があるため、親が保証人になれないことが必ずしもデメリットにはならないということは知っておいてもいいでしょう。
カーリースの更新ができなくなる
もし、カーリースを2ヵ月以上滞納した後、裁判になる前に保証人、もしくは自分で滞納額の支払いをした場合、残りの契約期間終了まで引き続き車を使うことができます。
ただし、契約期間が終了すれば契約更新することができなくなる可能性があるのでご注意ください。
過去に自社で滞納トラブルがあり、さらにブラックリストに登録された会員との契約更新をしたいと思うカーリース会社はないと考えるのが普通でしょう。
カーリースは中途解約できない※違約金が発生する
「月々の支払いが厳しい」
「車はあまり必要じゃなかった」
「私にはカーリースよりタクシーの方が安かった」
このように思ってカーリースを中途解約したいと思う人もいるかもしれませんが、原則カーリースは中途解約することができません。
その理由について解説します。
カーリースが中途解約できない理由
カーリースは契約期間中に発生する車維持費+事務手数料などのコストを契約月数で割って月々の契約プラン(料金)を提供しているサービスです。
そのため、契約期間を前倒しして中途解約されてしまうとカーリース会社が残りの月数分のコストを負担することになり経営が成り立ちません。
カーリース料金に含まれる費用
- 自動車税
- 自賠責保険料
- 自動車重量税
- 事務手数料
- 車検費用
- 車両費
※上記の年間維持コストを12ヶ月で割った金額が月額リース料
実際、車を自分で購入するとなれば、上記の費用はすべて自己負担。そう考えればカーリースは超お得に車を自分の物のように使えるサービスです。
例えば、カーリースの月額リース料の相場は以下の通り。
車種 | 月額リース料 |
軽自動車 | 1~2万円 |
普通車 | 2~3万円 |
大型車 | 3~4万円 |
人気車種だったり契約期間が短いプランほど月額リース料金は高くなりますが、それを踏まえてもカーリースはお得に車が利用できると言って間違いありません。
原則、カーリースは中途解約を認めていませんが、以下の場合は例外的に中途解約がと停められるでしょう。
例外的に中途解約が認められるケース
- リース中の車が全損した
- リース契約者が死亡した
- リース契約者が長期海外転勤した
ただし、中途解約が認められても“違約金”が発生します。
カーリースを中途解約した場合の違約金
中途解約の違約金は、カーリース会社によ中途解約希望の車の査定額を元に見積もられます。一般的には、残りの月額リース料金相当になるでしょう。
ただし、走行距離が長かったり、キズなどの損傷がある場合は違約金が高くなることもあるということは覚えておきましょう。
例えば、月額リース料が2万円、5年契約のカーリースを1年で中途解約した場合、違約金は最低でも48万円以上になるでしょう。
※走行距離や損傷の有無によって違約金は加算されます。
また、基本的に違約金の支払いは一括払いとなることにも注意しましょう。
まとめ:カーリースは滞納2ヵ月未満なら大丈夫!でもそれ以降は…
カーリースは数日~1ヵ月程度の滞納であれば、督促ハガキの指示に従って支払い(振込)を完了させれば特に何も起きません。これまで通り、車は利用できます。
ただし、滞納期間が2ヵ月を過ぎればブラックリストに登録され、3ヵ月を過ぎれカーリース会社に訴えられる可能性がでてきます。
滞納期間 | 状況 |
数日~1ヵ月 | 督促ハガキ、電話による支払い請求が続く |
1~2ヵ月 | カーリース会社の人が自宅訪問し、車の状況の確認および 支払い意思の確認が粉われる |
2ヵ月~ | 連帯保証人に請求が行き、ブラックリストに登録される |
3ヵ月~ | カーリース契約が強制解約され、車が引き上げられる ※裁判によって財産差押えが強制執行される可能性あり |
※スマホでご覧の方は左右にスクロールできます。
つまり、カーリースの滞納は2ヶ月未満であれば大きなペナルティはありませんが、“滞納期間が2ヵ月以上続くとやばい”ということ。
カーリースの支払いが難しい状況に陥っているとすると、クレジットカードやその他の借金の返済も苦しい状況になっていると思います。
現在の借金を返済できる見込みがないけどどうすればいいかわからない…という人は弁護士や司法書士に相談することをおすすめします。
詳しくは、以下のページをご参照ください。