結論、自動車ローンを滞納しても、すぐに車が引き上げられることはありません。
ただし、滞納しても大丈夫という訳ではなく、1ヵ月未満の滞納であれば車が引き上げられることはない、というだけ。
※自動車ローンを滞納すると様々なペナルティを受けることになります。
本ページでは「自動車ローンを滞納するとどうなるのか」「自動車ローンを滞納するリスク」についてお話します。
自動車ローンは3ヵ月以上の滞納で車が引き上げられる可能性あり
自動車ローンの支払日に口座残高不足で滞納してしまうケースは珍しくないでしょう。そのため、数日程度の滞納であれば特に問題はありません。
※数日間分の遅延損害金は発生します。
ただし、その後も滞納が続いた場合、状況はどんどん悪化していくでしょう。
自動車ローンの滞納を続けるとどうなる?
- 支払い催促の電話が来る
- 連帯保証人にも連絡が行く
- 車両引き渡し請求書が届く
- ローン残高の一括請求が求められる
- 車が引き上げられ売却される
※自動車の売却価格で返済できないローン残高を支払わなければ裁判になる可能性があります。
すでに滞納期間が2週間以上経過しているという人は、この後どのようなことが起きるのか、事前にチェックしておきましょう。
自動車ローン滞納1ヶ月目
滞納が数日~1ヵ月未満の間は特に大事には至らないでしょう。とはいえ、数日なら滞納して大丈夫という訳ではありません。
滞納は契約違反です。滞納日数に応じた遅延損害金が発生し、信用情報に滞納履歴が記録されてします。
ちなみに、滞納期間が1~2週間になると、債権者(銀行もしくはディーラー)から支払催促の督促状が届き、電話による催促は始まります。
※うっかり滞納してしまった場合は債権者の指示に従って至急支払いをしましょう。
なお、銀行の自動車ローンを利用している場合、引き落とし口座に入金することで自動振替が行われます。滞納していることに気付いた時点で、銀行からの連絡を待たずに入金しておきましょう。
自動車ローン滞納2ヵ月目
滞納期間が2ヶ月目になると“大丈夫とは言えない状況”になります。
すでに何度も支払い催促の連絡が来ているはず。それにも応じないとなれば、車を差し押さえられても仕方ない状況は覚悟した方がいいでしょう。
ただし、何の予告もなく車が引き上げられることはありません。債権者(銀行もしくはディーラー)から「車両引き渡し請求書」が届くはずです。
なお、滞納2ヵ月目までであれば、一括請求を求められることなく滞納額(先月の1ヶ月分)を清算すれば、これ以上状況が悪化することはありません。
ただし、滞納期間が2ヵ月を超える(3ヵ月目に突入する)と「期限の利益」を喪失するため、残高の一括請求もし区は車両の引き上げを請求されるリスクが高まります。
期限の利益とは?
毎月決まった期限までに毎月定額の返済すれば、それ以上の返済(残りのローン残高)は請求されない債務者の利益のこと。
例えば、借入額200万円を毎月2万円返済でローン契約を結んでいる場合、毎月2万円を返済すればOK。それ以上の返済を求められることはありません。
つまり、期限の利益が有効である場合は、滞納している未清算額さえ支払えば、それ以上の請求(残りのローン残高の請求、車両の引き上げ)をされることはありません。
ただし、期限の利益が喪失すると、債権者(銀行やディーラー)は残りの債務を一括請求することが可能になります。
※債務者は一括請求に従わなければいけません。
自動車ローン滞納3ヵ月目
支払い催促に応じない、もしくは債権者からの電話に出なくなると、自宅への訪問(取り立て)や、連帯保証人に代理返済を求められることもあります。
ちなみに、自動車ローンは滞納3ヵ月以降に期限の利益が喪失し、車両の引き上げが実行されるケースが多い、ということは覚えおいた方が良いでしょう。
つまり、滞納期間が3ヶ月目以降になると、ローン残高を一括請求されることは覚悟した方が良いでしょう。
もし一括請求に応じない場合、車両の引き上げは避けられません。そのため、一括返済できるお金が用意できなければ、車を手放さざるを得なくなるでしょう。
自動車ローン滞納4ヵ月目以上
車両が引き上げされ、その後売却されます。車両の売却額はそのままローンの返済に当てられるため、債務者(あなた)の手元に残ることはありません。
ただし、車両の売却額だけではローン残高を清算できないため、残りのローン残高を一括請求されることになります。
※債権者によってはローン残高の分割払いに応じてくれる可能性もあります。
もし、残りのローン残高の支払いに応じなければ“裁判”に発展します。
裁判になれば、財産の差し押さえが強制執行され、銀行口座や給料・賞与までもが差し押さえの対象になり、勤務先にも迷惑をかけることになってしまいます。
期限の利益の喪失前、つまり滞納2ヵ月目までに自分で車を売却すれば、売却額が手元に残るため毎月の返済額を確保できるはずです。「返済が苦しい」とわかった時点で車を手放すことを考えた方がいいでしょう。
遅かれ早かれ、返済ができなくなれば車を売却せざるを得ません。
自分で車売却の見積もりを取れる今のうちに、車一括査定を利用することをおすすめします。
※債権者によって車両が売却されると相場よりも安く売られてしまうため間違いなく”損”をします。
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自動車ローンを滞納しても勝手に車は引き上げられない
「自動車ローンの滞納が続くと車両が引き上げられる」とは言ったものの、債権者であってもあなたの許可なく無断で勝手に引き上げることはできません。
なぜ勝手に引き上げることができないか、を考える時に前提条件として押さえておかなければいけないことは「車の所有者は誰なのか?」ということ。
- ディーラーのローンを利用している場合
- 銀行の自動車ローンを利用している場合
それぞれのケースについて確認してみましょう。
ディーラーのローンを利用している場合
車両の所有者はディーラー(もしくはローン会社)です。
ディーラーで車を購入する時にローン契約をしている場合、「所有権留保」が契約内容に記載されているはずです。
所有権留保とは?
自動車ローンが完済するまで車の所有権は債権者(ディーラー、ローン会社)に留めて置く、という規約です。つまり、ローン残高が残っている限り車は自分の所有物になりません。
「そんなの初耳だ!」と思った人もいるかもしれませんね。
車の所有権は、車検証の所有者名義人欄に自分の名前ではなくディーラー名、もしくはローン会社名が記載されている場合は「所有権留保」が設定されています。
ただし、所有権留保でもディーラーもしくはローン会社が勝手に車を没収することはできません。
車の所有権は債権者(ディーラー、ローン会社))あるため、裁判手続きの必要なく車両を引き上げることができます。ただし、所有権があっても利用者(あなた)の許可なしに無断で車両を引き上げることはできません。
例えば、他人の敷地内にある車を勝手に引き上げる行為は“窃盗罪”に当たる可能性があります。
そのため、事前に「車両引き渡し請求書」を債務者(あなた)に送り、車両引き上げの許可を取り、債権者の立ち合いの元、車が没収される流れになります。
では、車両の引き渡しの連絡を無視した場合はどうなるのでしょうか。
もし自動車ローンの滞納が続いているにも関わらず、支払う意思がなく、さらに車両の引き渡しにも応じなければ、裁判によって財産差押えが強制執行されます。
つまり、結局は車を手放さざるを得ない状況になります。
※裁判費用、裁判に至るまでの遅延損害金など諸々の費用まで請求されます。
銀行の自動車ローンを利用している場合
車を購入する時に銀行の自動車ローン(マイカーローンや多目的ローン)を利用している場合、銀行はあなたにお金を融資しただけなので、車の所有権はディーラーから車を購入したあなた自身に移ります。
※詳細は契約内容もしくは車検証をご確認ください。
つまり、「所有権留保」は適応されません。
そのため、銀行の自動車ローンを利用している場合、期限の利益が喪失すると車の引き上げではなく、ローン残高の一括請求が求められます。
※滞納期間3ヵ月目になると期限の利益が喪失するリスクがあります。
もし一括請求に応じなければ裁判となり、財産差押えが強制執行されるタイミングで車が没収されることになるでしょう。
銀行の自動車ローンを利用している場合、車の所有権は債務者(あなた)にあるため、車を引き上げるためには裁判手続きが必要になります。
財産差押えによって車が没収されるまでの期間は滞納発生から半年以上はかかるでしょう。
ただし、その間にも遅延損害金が膨らみ、ブラックリストに登録されてしまうなどペナルティーが発生するため「時間的猶予があるからラッキー♪」というわけではない、ということは理解しておいた方が良いでしょう。
自動車ローンを滞納しない方が良い理由
「滞納2ヵ月目までなら大丈夫」と軽く考得るのは危険です。
車の引き上げには至らないかもしれませんが、滞納状態が続けば以下のような様々なペナルティを受けるでしょう。
- 遅延損害金が発生する
- 信用情報にキズが付く
- ブラックリストに登録される
- 財産差押えが強制執行される
すでに自動車ローンを滞納中、もしくは今月の返済がやばい…という人は、このまま滞納が続けば失うものは車だけではない、ということは覚えておいた方が良いかも。。
1つずつ解説します。
遅延損害金が発生する
遅延損害金の金利は最大で年率20%です。
また、遅延損害金は滞納中の月々の返済額に対してではなく、ローン残高(総額)に対して発生することに注意しましょう。
※自動車ローンの遅延損害金は元本は高額になる傾向がるので要注意!
遅延損害金の計算例
ローン残高が100万円、月々の返済額2万円を30日間滞納している場合の遅延損害金は以下のように計算されます。
100万円×20.0%÷365日×30日
=16,438円
つまり、上記の例だと月々の返済額2万円とは別に、16,438円の遅延損害金が追加請求されることになります。
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信用情報にキズが付く
私たちの信用情報は以下の3つの信用情報機関で管理されています。
自動車ローンを融資しているディーラーやローン会社、銀行などは上記のいずれかの機関に加盟しています。さらに、クレジットカード会社やカードローン会社などの貸金業者もいずれかの機関に加盟しています。
上記のいずれかの機関に加盟している貸金業者、金融機関は顧客との契約情報や返済状況などの記録を信用情報機関に提供し、それらの情報は上記の3つの機関で共有されています。
つまり、自動車ローンの滞納履歴は上記の信用情報機関に記録され、その他の貸金業者、金融機関に共有されます。
その結果、自動車ローンを滞納した数か月後に、他のローン契約や現在所有中のクレジットカードが強制解約される可能性があるでしょう。
つまり、自動車ローンを滞納したことで“信用情報がキズ付く”ということ。
とはいえ、滞納期間が2ヶ月未満であればまだキズは浅いでしょう。ただし、滞納期間が2ヶ月を超えるとブラックリストに登録されます。
ブラックリストに登録される
「ブラックリストは自己破産したら登録されるやつ」と思っている人もいるかもしれませんが、自己破産しなくても一定期間滞納状態が続けばブラックリストに登録されます。
ちなみに、ブラックリストに登録されるまでの滞納期間は信用情報機関によって定められており、「延滞期間が61日以上、もしくは3ヵ月以上」となった場合に信用情報に“異動”が記録される、と定めています。
※ブラックリストと呼ばれるリスト(名簿)は存在しません。私たちの信用情報に“異動”と呼ばれる情報が記録されることを、世間ではブラックリストと呼んでいます。
ちなみに、滞納中の金額に関係なく、滞納期間によってブラックリストに登録されるかどうかが決まります。
数万円の金額でも滞納期間が2ヶ月以上続いた場合は自動的にブラックリストに登録されてしまいます。つまり、自己破産していないのにそれと同じようなペナルティを受けることになるでしょう。
ブラックリストに登録された後では、車両引き上げ請求に応じたとしても、車の売却額で返済できないローン残高分は一括返済しなければいけません。
※ブラックリストに登録されると分割払いの審査に通らなくなるため。
その他、クレジットカードもすべて強制解約され、新規で少額ローンを組むことさえできなくなってしまい、ローン残高が返済できない場合は裁判に発展する可能性がでてきます。
財産差押えが強制執行される
自動車ローン一括請求に応じなければ、債務者(ディーラー、ローン会社、もしくは銀行)は法的措置をもってローン残高を回収せざるをえません。つまり、裁判です。
裁判になれば、裁判所命令による財産差押えが強制執行され、銀行口座、勤務先からの給与・賞与、さらに不動産や車などが差し押さえられます。
この中で、真っ先に差し押さえの対象となるのが銀行口座の預金と勤務先からの給与・賞与です。
もし、あなたが働いている場合は勤務先(アルバイトを含む)に「給与・賞与差押えの勧告書」が届くため、職場に迷惑をかけることは避けられないでしょう。
※職場に借金を返済できなくなったことが知られてしまいます。
職場に借金を返せなくて裁判で訴えられていることを知られると社会人としての“信用”を失ってしまい、その後の仕事に影響がでてくるかもしれません。人間関係にも影響がでることは避けられないでしょう。
つまり、裁判になれば失うものは車だけでは済みません。。
滞納1ヵ月目のうちに「返済を続けるのは難しいかも」と思ったのであれば、すぐに車を一括査定に出して売却し、売却額を毎月の返済に回しておけば裁判になることもなかったはずです。
自動車ローンを返済できなくなった場合の解決策
自動車ローンの支払いができなくなれば、遅かれ早かれ車は強制的に引き上げられます。引き上げられた車は売却され、売却額がローン残高の支払いに当てられます。
この時、債権者(ディーラー、ローン会社など)は引き上げた車を高値で売ろうとは考えません。すぐに現金化するために、市場価格を下回る価格で売却することも珍しくないでしょう。
つまり、車は自分の意思で売却した方が高く売ることができます。
自分で車を売却する時は複数社から見積もり取って高く買ってくれる業者を選ぶことができます。『一括査定』を利用すれば手間をかけずにご希望の価格で購入してくれる業者を見つけられますね。
『一括査定』は聞いたことありますよね?
一括査定では、車の年式・走行距離などを入力して購入してくれる業者を探してくれるサービスです。
一括査定から売却までの流れ
- 車の基本情報を入力して査定診断に申込む
- 査定会社から購入希望のあったディーラーを紹介してもらう
- 購入希望のディーラーに出張査定に来てもらう
- その場で購入価格の提示&交渉
- 後日、輸送業者が車の引き上げに来る
- 車の輸送が完了次第、売却額を振込で受け取る
ちなみに、車を売却する時は必ず価格交渉しましょう。
ディーラーが提示する購入価格にそのまま「YES」と答えると損します。提示価格+10~20万円で購入してくれる可能性は十分あります。
なお、出張査定は無料です。
「ここまで来たのに交渉成立しない」となれば、ディーラー側は無駄足で終わることになるため、なんとしてでも交渉成立させて帰りたいはずです。そのため、ある程度はこちらの希望価格を受け入れてくれる可能性は十分あるでしょう。
もし、自分で売却せずに強制的に車を引き上げられていた場合、さらに安値で売却され、さらに売却手数料などの無駄な経費も売却額から差し引かれるでしょう。
つまり、車が引き上げられる、もしくは財産差押えになるまで自動者ローンの滞納を続けると、結果的に大損するのでご注意ください。
まとめ:自動車ローンの滞納で車が引き上げられるのは3ヵ月目以降!
自動車ローンを滞納しても、すぐに車が引き上げられることはありません。ただし滞納期間が3ヵ月以上になると、遅かれ早かれ車は引き上げられます(没収されます)。
車が引き上げられる際、どこで自動車ローンを組んでいるかによって車が引き上げられるまでの流れが異なります。
ディーラーの自動車ローンを利用している場合
※車の所有権はディーラー
- 滞納3ヵ月目以降~
- 車両引き渡し請求書が届き、債権者(ディーラー)立ち合いの元、車が没収される
- 車の引き上げを拒否すれば、裁判により財産差押えが強制執行される
→ 結果的に車は没収される
銀行の自動車ローンを利用している場合
※車の所有権は購入者(あなた)
- 滞納3ヵ月目以降~
- 裁判により財産差押えが強制執行される
→ 結果的に車は没収される
なお、裁判になるまでに課程において、遅延損害金が発生する、さらにブラックリストへの登録などのペナルティを受けることは覚えておきましょう。
さらに、ディーラーによって車が引き上げられる、もしくは財産差押えにより車が没収された後、車は売却され売却額がローン残高の支払いに当てられます。
この時、市場価格を下回る価格で売却される可能性があり、結果的に借金が多く残ることになります。
このような状況を避けるためにも、自動車ローンの滞納を続けるのではなく、ご自身で車を売却して売却額を返済に回す、もしくは安い中古車に乗り換えることを考えてみてください。
自分で車を売却するメリット
- 査定会社に見積もりを取ってもらえる
- 価格交渉で高く売ることができる
- 売却額を月々の返済に当てることができる
- 滞納2ヵ月未満で売却すればブラックリストに登録されない
- ブラックリストに登録されなければ、安い中古車を新規ローンで購入できる
自分で車を売却する際、複数社から見積もり取って“高く買い取ってくれる業者を選ぶ”ことができます。
『一括査定』を利用すれば手間をかけずにご希望の価格で購入してくれる業者を見つけられるでしょう。ぜひご利用してみてください。